大学連携・学生受入

学生からの声 - 学生研究生 -

福島第一原子力発電所事故における公衆の線量再構築に関する研究
(福島環境安全センター 環境動態研究グループ)

※日本放射線影響学会で優秀演題発表賞を受賞した時の発表資料はこちら

※日本原子力学会ポスターセッションで優秀賞を受賞されたポスターはこちら



本田 文弥さん(茨城大学 理工学研究科 量子線科学専攻)


本田 文弥さん

茨城大学 理工学研究科 量子線科学専攻

◇現在の研究内容と目標について教えてください。

私は、福島第一原子力発電所事故における公衆の線量再構築*に関する研究を行っています。福島第一原子力発電所事故により被災した住民の健康管理や不安対策には、線量再構築が必須です。特に、地表面等に沈着した放射性物質を起因とする外部被ばくは、その被ばく線量が将来の健康管理に大きく影響するため、信頼性の高い線量評価が必要です。しかし、福島第一原子力発電所事故の初期は、実測データの欠如等によりその評価結果の不確かさが大きくなる傾向にあります。本研究では、福島第一原子力発電所事故初期の外部被ばく線量再構築に資するため、地表面に沈着した放射性核種の組成を仮定し、原子力機構が開発した空間線量率の分布状況変化モデルを応用して、福島第一原子力発電所から半径80㎞圏内における事故初期の空間線量率分布の推定をしています。

今後は、空間線量率分布の推定結果から事故初期の一般公衆の外部被ばくの線量再構築を行うことを目標としています。

*利用可能な情報で線量を事後的に推計すること。

◇研究していて最もやりがいを感じることは何ですか?

自分の研究を学会や研究会で発表したときです。様々な専門家の方々から意見を得られることは、今後の研究活動を進めるための励みになります。発表するということは、相手に理解してもらう必要があります。そのため、相手に分かりやすく,かつ簡潔に伝えられるような発表方法や資料作成を心掛けています。

◇研究や学業でこだわっていることがあれば教えてください。

どんなことでも常に疑問に思うことです。自分が扱っているデータや得られた結果は,「本当に正しいものなのか?」と常に疑っています。このような意識を持つことで、データ処理のミスの防止や、新たな発見があるかもしれません。

◇連携教員の指導を受けるメリットがあれば教えてください。

当該分野におけるトップレベルの方々から、直接指導していただけることがメリットだと思います。また、私の周りは、ほとんど原子力機構の研究者や技術者の方々です。そのため、常に最新の研究動向について知ることができます。さらに、このような環境の中にいると、常に良い緊張感を持ちながら研究活動ができます。これは、大学では体験することのできない貴重なことだと思います。

◇研究に行き詰った場合は、どのようにしてそれを克服していますか?

指導教員にアドバイスをいただくようにしています。アドバイスをいただく際には、自分の課題や問題点をまとめて、どんなことで行き詰まっているかをきちんと伝えられるようにしています。また、始めから考え直すこともします。こうすることで、新たなことが思い浮かぶこともあります。

◇将来はどのような研究者になりたいですか?あるいはどのような職業や職種に就きたいですか?
  将来の目標や夢があれば教えてください。

今までに学んできたことを活かして、原子力分野に貢献できるような職業に就きたいと考えています。常に,初心・向上心を忘れずに業務を行い、従事した分野のエキスパートを目指します。

最後に、今回受賞できたのは、指導教員である木名瀬先生を始め、研究室を提供してくださっている原子力基礎工学研究センターの方々や私を当機構に受け入れるために御対応いただいた原子力人材育成センターの方々のおかげです。心から感謝しております。



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