大学連携・学生受入

学生からの声 - 夏期休暇実習生 -

J-PARCでの最先端科学・技術への理解増進活動の実践
(J-PARCセンター 業務ディビジョン 広報セクション)



三浦 大明さん(秋田大学 国際資源学部 国際資源学科)
川﨑 千佳子さん(岡山大学 工学部 機械システム系学科)
古川 実希さん(立命館立命館大学 産業社会学部 現代社会学科)
濱 翔太さん(同志社大学 法律学部 法律学科)


三浦 大明さん

秋田大学 国際資源学部 国際資源学科

◇志望理由と実習内容について

もともと興味のあった、原子力資源を扱う組織というのと、将来目指す広報や報道に関する部署でのインターンシップということだったので、進んで応募いたしました。また、「資源」というテーマにおいて、原子力は、とても多くの人が興味を持つコンテンツであると考えています。その取り扱いや、最新の技術を説明することはあらゆる気遣いと知識がなければならないと考え、実習に参加することにより、少しでも今後の活動に活かしたいと思い、参加を決意しました。

実習内容としては、J-PARCの施設内や外部施設見学に同行し、外部に向けた広報活動を見ることができます。また、その見学により、研究所やその施設を大まかに知り、科学技術に触れることができました。広報部署の方々が原子力研究施設という一般の方にあまりなじみのない施設を分かりやすくかみ砕いて説明する術や、その姿を見て学ぶことが実習においてとても重要なことです。また、ただ見るだけでなく、見学の様子を短い広報記事にまとめる活動やサイエンスコミュニケーターにとって重要な手段である科学技術をテーマにしたプレゼンテーションを行ったりします。そのためのプレゼン基礎や技法を学ぶ機会もあり、知識と実践を兼ね備えたプログラムが存在します。J-PARC内の施設だけでなく那珂研究所やつくばにあるKEK(高エネルギー加速器研究機構)の研究所など、数多くの施設を見学することができました。

◇困難に直面した時にどう対応したか

今回の実習の最大の課題は、最終日に行われるプレゼンテーションについてでした。最新の科学に関する記事を読み、それを一般的に、より分かりやすく伝えることが求められます。また、内容だけでなくプレゼンテーションの技術も組み合わせなければ、伝え、理解することはとても難しいです。困難というほどではありませんが、その難しさに直面したあとにやったことは非常にシンプルです。それは、「練習し、イメージする。」、をひたすら繰り返すだけです。それに伴い、プレゼンテーションの資料を洗練させ、自分にとっても分かりやすく、人に説明しやすいスライドに仕上げていきました。

◇思い出に残ったこと

多くの施設を見学し、陽子やイオン、素粒子など様々な種類の加速器を見学できたことや、核融合研究を行う那珂研究所などに訪問できたのはとても貴重な経験でした。その中でも、J-PARCやKEKなど、昨今のノーベル賞研究にとてもつながりのある施設や各国共同研究である核融合設備ITERなどの研究を一般の方々に分かりやすく伝えるための各施設員の努力を見ることができます。「原子力」という一般の方々にとって未知の領域を伝えるには知識だけでなく、人としてのコミュニケーション能力が必要になることはとても参考になりました。

◇特にお伝えしたいことがあれば御自由にどうぞ

私の選んだ広報セクションでのインターンシップでは、周りの方々の御厚意により、フォローや配慮が行き届いた職場だったので、少しでも興味のあるなら勇気をもって飛び込めば、自らのスキルアップだけでなく、良好な人間関係の構築のチャンスであると考えます。





川﨑 千佳子さん

岡山大学 工学部 機械システム系学科

◇志望理由と実習内容について

私は、自分の思ったことや言いたいことを言葉で相手に伝えることが苦手です。日常生活でも、相手にあまり伝わっていないことがあります。例えば、「今所属している学科では、どういった勉強をしていますか。」、という質問に私が答えると、相手に「なんとなく分かるけど、やっぱり分からない。」、と言われることが多いです。このことから、広報をテーマにした実習を通して、自分の言いたいことや強調したいことを相手に分かりやすく伝えるという能力を少しでも向上させ、苦手意識を克服したいと思い、この実習に参加することを決めました。

また、J-PARCという世界最先端の施設を見て、現場の方に研究内容を聞くことで、研究とはどういったものか、イメージを持ち、今後の進路について考えたかったのも、志望した理由の一つです。

◇困難に直面した時にどう対応したか

最終課題である科学をテーマにしたプレゼンテーションの練習で、緊張して自分のイメージ通りにプレゼンテーションをすることができなかった時が一番苦しかったです。最終日までに自分のプレゼンテーションができるか心配でした。職員の方や同じ実習テーマに参加していたほかの実習生だけでなく、他の実習テーマの方にも実習時間外に自分のプレゼンテーションを聞いていただき、たくさんのアドバイスをいただきました。何回も練習して、落ち着いてプレゼンができるようになるまで、とても時間がかかりました。

◇思い出に残ったこと

J-PARCでの研究だけでなく、KEK(高エネルギー加速器研究機構)やQST(量子科学技術研究開発機構)の那珂核融合研究所など、様々な研究所に実際に行き、研究内容や装置を自分の目で見るという体験ができて、研究ではどんなことをするのかなど、頭の中でイメージが持てたと同時に、研究に対する興味がわきました。

さらに、職員の方々から原子力機構で働こうと思ったきっかけや経緯を聞く機会があり、大学卒業後の進路について深く考えることができました。

◇特にお伝えしたいことがあれば御自由にどうぞ

実習初日は、とても緊張していて本当に実習をこなすことができるのか心配でしたが、職員の方々がとても親しみやすく、優しく話しかけてくれたので、楽しく過ごすことができました。





古川 実希さん

立命館立命館大学 産業社会学部 現代社会学科

◇志望理由と実習内容について

私は大学で福祉の勉強をしています。福祉制度やサービスはややこしいため、正確に理解されにくく、病気や障害、引きこもりの方などは社会から受け入れてもらえない現状があります。また、私は、昨年、学部の自治会活動を行っていました。自治会は学生からの認知度や活動内容の理解度が低く、説明会やイベントを企画してもそれらは改善されませんでした。これらのことと、J-PARCのような最先端の科学・技術研究が一般の方に理解されにくい状況は共通していると思いました。そこで、J-PARCではどのように広報の活動をしているか興味を持ち、実習を志望いたしました。

実習では、季刊誌作成や見学者の受け入れ対応、イベントの開催、取材など、様々な業務に立ち会わせていただきました。見学対応やイベントでは、実際に写真を撮り、インタビューをし、記事を書く体験もさせていただきました。また、プレゼンテーションに関する講義や指導もしていただき、今後に生かせる技術を身に付けることができたと思います。

◇困難に直面した時にどう対応したか

困難を感じた場面はありませんでした。疑問に思ったことはためらうことなく質問できる温かい雰囲気で、スムーズに実習を遂行することができました。

◇思い出に残ったこと

東海村の小学生を対象とした、「J-PARCハローサイエンス夏休み理科実験教室」が思い出に残っています。情宣や当日の準備、運営、取材、記事など、すべて広報セクションによって行われ、広報の仕事は幅広く、どれもおもしろいと感じました。また、理科実験教室の参加者だけでなく、J-PARCへの見学者や他機関の方、他の実習生など、年齢や職種の異なる様々な方と関わることができ、貴重な体験ができ、このことも思い出に残っています。

◇特にお伝えしたいことがあれば御自由にどうぞ

広報セクションの方だけでなく、関わってくださったすべての方が優しく、親切にしてくださいました。また、業務以外にも社会に出るということが学べました。得たものがたくさんあります。実習を受けるか迷っている方がいれば、ぜひ、受けていただきたいと思います。





濱 翔太さん

同志社大学 法律学部 法律学科

◇志望理由と実習内容について

志望理由は、大きく分けて2点あります。1点目は、かねてから原子力分野に興味関心があり、当該分野について幅広い知見を獲得して、文系として市井に理解関心を広める当分野について仕事の片鱗をつかみたいというものです。

2点目は、広報分野については自分自身触れたことのないものですが、学校でのプレゼンテーションやコミュニケーションなどに必ずと言っていいほど必要になる能力であると考えています。上記2点の能力についてステップアップを望める本実習は、魅力あふれるものだと感じたことです。

実習内容としては、サイエンスコミュニケーションの実践としてプレゼンテーション実習、また、施設見学への随伴及びそれについての記事作成、さらにJAEA本部や高エネルギー加速器研究機構(KEK)広報部での実習を行いました。

様々な実習を行いましたが、全てに共通して言えることは「文は理への、理は文への」壁を超えたアプローチの必要性だと感じております。文理双方からのアプローチにおいて成立するサイエンスコミュニケーションです。実社会でのさらなる発展、促進につながることを期待します。

◇困難に直面した時にどう対応したか

どんな困難に直面したときも、必ず最初は自分へのフィードバックを行い、その後の方向性を検討しました。実習中において、科学的分野についてのライティングを行いましたが文章構成や展開に迷い、なかなか定まらないことがありましたが、自分の記述した過去の文書、メモなどを振り返り、初歩から見直すことで、問題解決につながったことが記憶に残っています。私は文系ですので、“物書き”の機会は比較的多いです。しかし、普段書く記述とはまったく違う側面の記述を実習できたことは困難でしたが、新鮮でした。社会生活においてこのような機会は必ずしも多くはありません。インターンなどを通して自分へのストレステストを行うことは必要なことであると考えます。

◇思い出に残ったこと

なんといっても、J-PARCの見学です。実習よりも自分の興味関心からこれを挙げました。そもそも施設見学の機会自体になかなか巡り合えず、見学が叶わなかったので、いわば、長年の夢が叶った形です。

◇特にお伝えしたいことがあれば御自由にどうぞ

何よりも必要なことは、遠慮せずに質問、相談をすることです。実習中に色々な人に出会うことが多いです。様々な経歴、様々な分野で業務されている方々であり、文系学部にいる学生ではなかなか出会うことができません。今後の進路設計に大きく影響を与えると思います。

次に、自分の研究分野の関連性を探してください。必ずどこかにつながりがあり、「広報」や「サイエンスコミュニケーション」が自分の専門外の分野であったとしても自分の研究に進歩があります。

業務外のことになりますが、基本的に寮に帰ってから何かしらの作業をしなければならないなんてことはありません。それゆえ、休日等にはまったくやることがありません。良い機会ですので茨城観光を楽しむことを強くお勧めします。旅行雑誌を持っておくと良いと思います。



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