大学連携・学生受入

学生からの声 - 夏期休暇実習生 -

地質学試料の化学分析及び放射年代測定
(東濃地科学センター ネオテクトニクス研究グループ)


工藤 啓介さん

一関工業高等専門学校 物質化学工学専攻

◇志望理由と実習内容について

貴機構の夏期休暇実習の存在を知ったのは学校の教務係に募集の案内が来たからです。福島第一原子力発電の事故以来、原子力に関わることに興味を抱いており、面白そうだなと感じました。多種多様な実習テーマがある中で、私が選んだのは「地質学試料の化学分析及び放射年代測定」です。私の専攻は物質化学工学であり、様々な分析機器について学んできましたが、実際に装置を使用しての実習はあまり経験したことがありません。今回、誘導結合プラズマ質量分析装置、電子プローブマイクロアナライザー、蛍光X線分析装置等の分析機器を用いた分析を体験できるということで、このテーマを志望しました。また、原子力発電と地質学試料の間にどのようなつながりがあるのか、疑問に思ったことも理由の一つです。

実習内容として、始めに東濃地科学センターの事業紹介をしていただきました。この段階で、自分の専門とは大きく異なる内容と感じましたが、説明が分かりやすかったので、事業内容について理解できました。簡単に言えば、「原子力発電を行うことにより生じる高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発の一環として、地質環境の長期安定性に関する研究を進めている」ということです。そのために、地質学試料を分析しているということが分かりました。実際に行われている研究についても説明していただきましたが、ここからは未知の領域でした。今まで地学という分野を全く学んでこなかった私ですから研究内容の全てを理解することはできませんでしたが、様々な分析機器が用いられていることは分かりました。

突然ですが、私は小さい頃、石を割って中がどうなっているのかを見るのが好きでした。小学生の時には夏休みの自由研究で、近所の川へ行って石を拾ってきて、割って、川によってどんな違いがあるかということを研究しました。当時は見た目だけで種類分けをしましたが、東濃地科学センターでは分析機器を用いて元素分析や年代測定を行っています。ここで、幼いころの記憶と、学校で得た知識とがつながって、なんだか嬉しくなりました。そのほかの実習では、施設の見学、岩石試料の前処理や先に挙げた分析機器による分析を行いました。いずれの作業も職員の方々は精確かつ素早く行っていて格好が良いな、と思いました。慣れない環境だったり、初めての操作だったりして不安なこともありましたが、担当の方が丁寧に教えてくださったので何の問題もなく実習を行うことができました。

◇思い出に残ったこと

粉砕作業は子供のころを思い出して懐かしくなりました。当時よりも簡単に粉砕できて、力がついたなと感じました。パンニングの操作では小学生のころに親に連れられて行った砂金採りを思い出しました。思い出に残ったことは実習期間(二週間)の全てです。機器を用いた分析、様々な前処理等の実習はもちろん、休憩時間や昼休みの職員の方々との会話も思い出に残っています。職員の方々は気さくに話しかけてくださいました。私の地元は岩手県で、岐阜県を訪れたのは初めてでした(東京より西に来たのも初めて)。暑かった。慣れない環境で疲れがたまってしまうこともありましたが、宿泊施設(瑞浪国際地科学交流館)での食事で元気を取り戻すことができました。



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